お互いの秘密/ut ページ13
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同じクラスの鬱はプレイボーイだと聞く。
いつもへらへらと人の良さそうな笑みを浮かべているのに、制服からはどこか煙たい、タバコのような香りがする。
ド至近距離まで近づいて、漸く気付くほど薄い煙たい香り。
さて、どうしてその香りに気付くのだろうか。
それはもちろん。
「Aちゃん、めちゃくちゃやわこいなぁ。ふにふにしとる」
「デブと言いたいと？」
「ちゃうよ〜もぉ〜」
抱き締められているからである。
なぜ私が抱きしめられているのか。その理由の説明から、する必要があるだろうか。
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それは昼休みのことだった。私が友達といつも通り弁当を食べている時、目の前の友人が突然私の後方をちらりと見ては、
「……鬱くんかっこいいね」
と。
しかし私は知っていた。彼はハチャメチャにプレイボーイ。
一週間前に見た、鬱くんの腕に身体を寄せている女の人は、次の週には別の女の人に変わっている。そんな鬱くんの(恐らく)元カノさんは、女を取っかえ引っ変えしているクズ男、と鬱くんを毛嫌いしている。
掌がクルクルすぎるな、と何度思ったか。
しかし引っかかるのも分からなくはない。
べらぼうに整った顔。少し目に掛かった前髪と、眼鏡がこれでもかと言うほど似合っているし、ほかの男子に比べて少し高めの声がその甘いマスクに釣り合っている。
しかし私の中では残念ながら「クズ男」というイメージと天秤にかけるとそっちの方が勝ってしまう。
私は顔より性格を重視するのだ。
「……こういうこと言うのもなんだけど、クズ男だって聞くよ」
「そこもひっくるめてかっこいいの」
「将来バンドマンとかに引っかかるなよ……」
ワルが好きなタイプの友人だったわ。
「というか好きっていうか推しって感じ！」
「将来バンドマンとかに引っかかるなよ」
「二回言われた！？」
引っかかんないよー、とぷんぷんしている友人を他所目に、私も後ろへ目を向けてみる。
かるく机に座って、茶髪でニット帽を被っているご友人と談笑しているらしい。
こちらの視線に気付いたのか、一度目だけ動かしてこちらをちらりと見たあと、顔ごとこちらを向けて手を振った。それに気付いた鬱くんのご友人も、私の方へと手を振ってきたので返す。
するとなぜかこちらへと寄ってきた。嘘だろ。
「なあ、俺らも一緒に飯食ってええ？」
なんで？
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ミントティー(プロフ) - 灯さん» コメントありがとうございます……！まさかご感想いただけると思わず踊り狂って喜んでいます。読みやすかったと言っていただけると嬉しいです……！これからも元気に更新してまいります！ (5月12日 20時) (
レス) id: d7507200e4 (このIDを非表示/違反報告)
灯(プロフ) - はじめまして、コメント失礼します。どの作品も一つひとつが面白くて、尚且つ読みやすかったです！素敵な作品をありがとうございます！朝夕寒い時期ですのでお身体にお気をつけて、ご健勝をお祈り申し上げます。 (5月11日 13時) (レス) id: 3e566e3157 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミントティー | 作成日時：2023年12月28日 21時
