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「い、生きとるんかい！」
「なんで驚くの？」
「驚くやろ！土の中におったやつがこんなぴょんぴょん跳ねて喋っとったら！」
「あー、そうかー、うんー、確かにね。ごめんね？」
「別に、ええけど……」
「とりあえず起こしてくれてありがとう」
せやな。(掘り)起こしたな。すまんな、寝とったかもしれへんのに。
話を聞くに。土の中で眠っていた彼女は、昭和とかその辺にこの地に人柱として捧げられた、成績優秀で容姿端麗、才色兼備で有名な女子高生。
立てば芍薬座れば牡丹、歩く姿は百合の花、を地で行くような娘だったらしい。
「いやー、窮屈でねー。本当に助かったよー」
「そ、そか……」
「ねえ、ここってまだ変わってない？」
昔っから、立地とか高校の名前とかは変わってへんよと伝えれば、そっかそっかと顎に手を当ててウンウン頷く。
ウワ、様になるなあ……
「私って、実はここの産土神になっちゃったんだよねー。知ってる？」
「うぶすな……がみ……？」
「土地を守る神様。この辺の土地を、桜伝いに守ってたって言えばいいかな？」
それで、と彼女は人差し指をピン、と立て、生徒会室の方を指さす。
「何だっけ？あの、緑パーカーくん。あの子のお家、代々この桜の樹を守る家系なんだ。忍者だったっけ」
「アイツホンマに忍者なんかいっ！！」
ゾムは昔、「俺ん家忍者やから」などとドヤ顔していた記憶がある。小学生の頃からの腐れ縁、冗談だと思って聞き流していたが、ホンマに忍者やったとは。
……この桜の樹を守っとったのも頷けるな。悪いことしたわ。
「とにかく掘り起こしてくれてありがとう。あの忍者パーカーくんにももういいよって伝えといて」
「……え、君は？」
「うーん……信仰がある限り成仏できなさそうだし、ここら辺をうろつくことにするよ。じゃあね、遅くならないように帰ってね」
そう言って手を振り、制服を翻して立ち去る女子高生を放っては置けず、俺は思わず白い腕を掴んだ。
「……えっ」
「いや、ま、待てや」
「な……なんで？」
「やっぱ直接、ほら、伝えた方がええんちゃうか？それに、年頃の女子高生がここら辺うろつくのはちょっと危ないやろ、な？」
「え、いや、私……」
「せや！ちょっとグルさんに会ったってくれんか。多分喜ぶと思うねん。あと、あー、えー……」
俺がそう捲したてると、女子高生はフゥッと息を吐いた。
……呆れられたかもしれへん。
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ミントティー(プロフ) - 灯さん» コメントありがとうございます……！まさかご感想いただけると思わず踊り狂って喜んでいます。読みやすかったと言っていただけると嬉しいです……！これからも元気に更新してまいります！ (5月12日 20時) (
レス) id: d7507200e4 (このIDを非表示/違反報告)
灯(プロフ) - はじめまして、コメント失礼します。どの作品も一つひとつが面白くて、尚且つ読みやすかったです！素敵な作品をありがとうございます！朝夕寒い時期ですのでお身体にお気をつけて、ご健勝をお祈り申し上げます。 (5月11日 13時) (レス) id: 3e566e3157 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミントティー | 作成日時：2023年12月28日 21時
