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ご飯、どうしよかな。風呂も服がないから、この後買いに行かなあかんな。そうぼやいていると、女子高生は、俯いて考えている俺の視界に入り込んで。
「あ、光合成出来るからご飯はいらないよー」
と言った。
……光合成？葉緑体があるんか？けどめっちゃ肌白ないか？
俺がまた真剣に考え込んでいると、女子高生はくふくふと笑った。
「ウソウソ。ジョーク、人柱ジョーク」
「笑えへんわ！植物ジョークとかにせえ」
ふんわり、ふわふわ。
髪の毛を揺らしながら、俺の周りを漂う女子高生は、まるで一般人のようにニカニカ笑っている。
まるで、人柱として捧げられていたのを忘れているように。
彼女を眺めていると、あっ、と気付いたように一回転し、俺を指さした。
「……ねえ、君、名前は？」
「トントン」
「分かった。私はA、お好きに呼んで」
「ほなAさんでええか？」
「さん付けなの？」
「歳上やろ？昭和あたりやったら」
「ンー、マ、そうだけど……ン……」
ババア扱いされてるみたいでやだなーっ、と、空中で一回転。
俺をチラチラ見て、わざとらしい声のトーンで、五指の指先を合わせながら言った。
……何でこういうのも様になるんやろうな。
「……ハァ。Aでええか？もう」
「よ、呼び捨て！？すごいね、君！」
「ちゃんもなんかちゃうやろ」
「ンー、ン、ンー……そう、かもー……」
まだ納得してへんのかい。
「まあそれはおいおい考えようか！よろしくねトントンくん」
「おん。よろしくな、A」
こうして、俺と、桜の樹の下に埋まっていた女子高生(なお元人柱)の奇妙な関係が始まることになってしまった。
いや、まさか。桜の樹の下に、死体ならぬ女子高生が埋まっているとは思わんやったな。
そろそろ帰るか。グーッと伸びをして、地面に打ち捨てたスコップとシャベルを拾って、俺は学校内の備品倉庫へと向かった。
桜の樹は、花びらひとつない、ただの大樹として。
人柱も産土神も何も持たない、ただの大樹として、校庭の中心に、図々しくも居座っている。
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ミントティー(プロフ) - 灯さん» コメントありがとうございます……！まさかご感想いただけると思わず踊り狂って喜んでいます。読みやすかったと言っていただけると嬉しいです……！これからも元気に更新してまいります！ (5月12日 20時) (
レス) id: d7507200e4 (このIDを非表示/違反報告)
灯(プロフ) - はじめまして、コメント失礼します。どの作品も一つひとつが面白くて、尚且つ読みやすかったです！素敵な作品をありがとうございます！朝夕寒い時期ですのでお身体にお気をつけて、ご健勝をお祈り申し上げます。 (5月11日 13時) (レス) id: 3e566e3157 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミントティー | 作成日時：2023年12月28日 21時
