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眠れない夜は今まで何度もあった。
今日は、段違いで眠れない。いつもの眠れなさとはわけが違った。ぐるぐるぐるぐる思考が巡って、脳がずっと活性化されていた。
どう、しよう。
今は深夜二時。ベッドに入ったのが確か、一時頃。かれこれ一時間程はベッドの上でゴロゴロと転がったり、縮こまったり、目を閉じたりしている。
こういう時、コネシマが居てくれたらいいのに。
「やっぱ起きとった」
「っぎゃあ！？」
「うるっさ！」
突然声を掛けられて驚いた。心臓がバクバク言っていて、さらに落ち着かない。
「いや、なんかギシギシうるさいな思って」
「ごめん、寝れなくて」
「どうせベッドの上でゴロゴロしとったんやろ？折角やったらちょっと外行こうや、俺腹減ったわ」
「……コンビニとか行くの？」
「おん」
「遠いよ」
「バイクあるで」
「免許ないよ」
「無くてもええわ、ド田舎やねんから」
私がなにか反論すればコネシマはそれを突っぱねてくる。
もう、仕方ないなーとベッドから降りて、学校用のジャージを着る。これも、自分で貯めていたお金で買ったものだと思うとなんだか感慨深い。
「俺親父の部屋から鍵パクってくるわ」
「えっ」
「安心せえ、バレるようなヘマせえへんよ」
じゃあ外で待っとってな、と手を振ってコネシマは部屋を出ていく。
───コネシマがあんな口調になったのって、いつ頃だっただろうか。
確か、どこかのタイミングで聞いた時。お友達に影響されたとかなんとか言っていたが、いつだっただろうか。
どんどん記憶が薄れていく、ような気がした。
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夜の風は冷たい。その冷たい風を浴びていると、コネシマがコソコソ玄関を開けて外へ出てきた。
その手には二つのヘルメットと、小さな鍵。半袖半ズボンという健康的な服装をしたコネシマは、私の記憶の中のコネシマより大人っぽく見えた。
「ニケツなるけどまあええやろ、今更やわ」
「まあ……」
「親父のなんて嫌やろうけど、ほい、ヘルメット」
「ありがと」
投げられたヘルメットを被って、バイクに腰掛けたコネシマの後ろに乗る。コネシマの手つきは随分手馴れていて、今まで何度か乗ってきたんだろうな、と推察できた。
エンジンが掛かって、バイクが走り出す。
冷たい風がより強く感じられて、コネシマの腹に回した手に力を入れた。
「あんま強くハグせんといてや、擽ったいわ」
「あ、ごめん」
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ミントティー(プロフ) - 灯さん» コメントありがとうございます……！まさかご感想いただけると思わず踊り狂って喜んでいます。読みやすかったと言っていただけると嬉しいです……！これからも元気に更新してまいります！ (5月12日 20時) (
レス) id: d7507200e4 (このIDを非表示/違反報告)
灯(プロフ) - はじめまして、コメント失礼します。どの作品も一つひとつが面白くて、尚且つ読みやすかったです！素敵な作品をありがとうございます！朝夕寒い時期ですのでお身体にお気をつけて、ご健勝をお祈り申し上げます。 (5月11日 13時) (レス) id: 3e566e3157 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミントティー | 作成日時：2023年12月28日 21時
