Aぇの紅一点神出鬼没のお姫さまⅡ (ページ24)

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もう少しだけ - masakado ページ24

( you side )

『良規、起きて』

見慣れた自分のベッドで眠っている恋人に声をやけると掠れた声で「んー……」と返事なのか返事じゃないのか分からないものが戻ってきた。
小さく彼の身体を揺らすと、ゆっくり目が開いて視線が合う。

『おはよう』

正門「……ん、おはよう」

『そろそろ起きて』

正門「……」

朝食を準備していたキッチンに戻ろうと、良くんに背を向けたことろで手首を掴まれた。
どうしたのか聞く暇もなく引っ張られて、寝転んでいる彼の胸元に引き寄せられる。

『良規？』

正門「昨日りり帰ってくるの遅かったからじゅーでん」

ぽや門なんて言われる時よりも、さらにぽやぽやした喋り方に笑ってしまった。
もともと比較的気持ちを真っすぐ伝えてくれる人ではあったと思うけれど、付き合ってからなおさらでパブリックイメージよりも彼は素直に甘えん坊だと思う。
同時に甘やかし屋でもあるから、いい恋人だなーと感じるばかりだ。
自分だって忙しいのに私が寂しくなるタイミングが分かっているかのように「今日家で待っててええ？」と聞いてくるのだから敵わない。

バックハグの形で抱きしめられて良くんの体温がうつってくるから、このままでは眠くなってしまいそうだ。

『んー』

正門「ねむい？」

『良くん子供体温だから眠くなった』

正門「正門あったかいからなあー」

『ちこくしちゃうー』

正門「おきる？」

『もともと起こしに来たんだよ』

正門「そやなー。ごめんな」

腕の中から解放されると、少しだけ名残惜しくなって寝返りをうつ。
寝転んだまま目が合って彼の寝癖がついた髪に口づけを一つ落とした。

正門「なによー。朝からかわええことして」

『なんでもない！起きよ！』

自分でやっておきながら指摘されると恥ずかしくて急いで起き上がる私を見て、良くんは嬉しそうに笑う。