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グレショーラブロマンス(公演��) ページ27
暗転。シーン転換。
佐野ナレーション「正門と姫城が互いの存在を確かめ合ってから三日後のことでした。
ーー姫城りりという少女の遺体が見つかったのは」
舞台の真ん中、呆然と立ち尽くす正門にスポットライトがあたる。
正門の手には瓶が握られていた。
正門「どうして彼女の手を離してしまったのか。あれからずっと考えているけれど答えが分かることはない。あの場では無理矢理になったとしても連れ出していれば、彼女は死を選ばずに済んだのでしょうか？ 彼女は僕が生きていてくれればと言ったけれど、僕だって彼女が生きていてさえくれれば僅かながらの希望と幸福を胸に生きていくことができたのに。
ごめんなさい、りり。あなたの僕に生きてという願いを叶えることはできそうにありません。僕が生きているとうちっぽけなことで幸福を見いだしてくれる貴女は、もういないのだから」
正門、手にしていた瓶の中身を一気に飲み込む。
視界がふらつくように彼の身体がぐらりと傾く。
暗転。
暗い中正門が姫城の名前を呟く。
正門「りり」
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作者名：くー | 作成日時：2024年3月28日 11時
